4月21日(火)校長ブログ「海紅豆の庭」vol.13~のれんをくぐる~

※本日のブログは附属平野中高で同じ内容です。

 校長という立場は、普段授業もできないし、生徒と接しようとしても“校長フィルター”がかかって生徒も心を開いてくれぬことが多い。また、校長室は校長“だけ”の部屋というイメージからこれまた敷居が高い。中学3年時にあの“江夏の21球”を校長室で見せてもらった私にとっては、ある意味、校長室は感動の場所として記憶されている。だから校長になったのかと言われればそれは違うと断言できるが、こうして校長となったからには、やりたいことは全部やらないと人生がもったいない。

 というわけで、前任校に赴任した時から行っている『ゴリラのれん』を年度当初から始めている。校長室の扉に『ゴリラのれん』(正確にはバンクシーが描くヘッドフォンをしたチンパンジーなのだが、私はゴリラが大好きなので、無理やりゴリラということにしている)がかけられている時は、生徒も「一声かけて自由に入ってきてよい」ということにしている。

 中高合同の始業式で伝えて以来、中学生が数名来てくれたが、本日、昼休みもあと10分というところで、廊下から、「残念、のれんかかってないわ」との声が聞こえたので、ガラッと開けると男子2名が立っていた。「大丈夫やで。入っておいで」と声をかけると、「あと数人来るのでちょっと待ってください」と言う。少し待つと、高校生の男女6名が入ってきた。「男女6人〇物語…」と心の中で呟いて、「まぁ、ちょいとお座り」と落語の口上をまねて促した。あまり時間がなかったが、「まずは自己紹介を」と男子生徒が仕切る。「2年□組の〇〇●■と言います。苗字は普通の〇〇で、●■の●は◇の●で、■は…」と、漢字の説明をする。続く生徒も同じように感じの説明をするのだが、これが結構難しい。自分自身は理解していても、数ある同音異義語の中から誰もがそれとわかる漢字を伝えるのは頭を使う。

 それが面白いので、6名全員に説明させたが、上手く説明できないことにしばし和やかな空気が流れた。時間もなく、自己紹介したのみで昼休みが終わったが、その何気ない時間が学校には必要だ。教員と生徒がそのような何気ない時間を過ごせるようになれば、豊かな人間性が育成されると思っている。

 ちなみに一人の男子生徒は、自称「校長ブログ」のヘビーユーザーだと自慢してくれている。自慢になるかどうかは知らないが、自己肯定感が上がっているならそれでよい。男女で来てくれたことも嬉しい。今日は来てくれてありがとう!明日からもよろしく!

 さても今日 仲良きことは 美しき哉